不妊治療を行えば必ず妊娠するわけではありません。長い期間、治療を行うことも考えられますので、できれば不妊治療をはじめるときに「やめどき」を決めておくと、あとあと後悔しづらくなるといわれています。
ここでは、不妊治療のやめどきをなぜ決めるのか、考察していきます。
不妊治療で感じる3つの負担
不妊治療には「経済的負担」「身体的負担」「精神的負担」という3つの負担があると言われています。
不妊治療の精神的負担
不妊治療における最も大きな負担と言われているのが精神的な負担です。
治療すれば必ず妊娠するわけではありませんから、ともすれば最終的なゴールが見えない挑戦を長い期間にわたって続けることになります。
両親や親族などの期待や思いもよらぬ言葉に追い立てられ、焦りと不安やストレスで精神的にもかなりつらい状況になりかねません。
パートナーと都度話し合い、自分の状況や相手の状況、そうして常に心情を理解しあいつつ、お互いに思いやりを持って不妊治療に挑む気持ちが大切です。
不妊治療の経済的負担
不妊治療では経済的な負担も大きくなる傾向にあります。
もちろん不妊治療といっても方法もさまざまですし、どのような方法でどこまでやるのか、それによって治療費用が異なります。
たとえば、体外受精や顕微授精などの高度不妊治療では平均190万円以上かかるとも言われています。中には300万円以上かかったという方もいて経済的な負担も大きい治療と言えるでしょう。
あたかじめ診察段階でどのくらいの費用がかかるのか、あらかじめ聞いておくといいでしょう。
不妊治療の身体的負担
不妊治療は、特に女性の身体的負担が大きいと言われています。
検査内容や施術内容によってできる時期も異なるため、病院へ行き検査を受けるたびに身体的なつらさが蓄積していきます。
不妊治療をやめる理由
子どもを授かり不妊治療をやめるとなれば希望がかなったのですから「嬉しい」やめる理由です。
しかし、その他の理由は子どもが欲しいという希望に沿ったものではありませんので、「つらい」決断であると思われます。
たとえば卵子や精子に問題がありこれ以上体外受精を継続しても妊娠の可能性がない、もしくはほとんどない場合でやめる決断に至るカップルもいます。
妊娠の可能性が少しでもある場合は、少しの可能性に期待をかけて不妊治療が長くなるケースもあります。
また、何回チャレンジしても着床しないもしくは妊娠しても流産してしまうということも理由に挙げられます。
特に流産は女性の身体に大きな負担となるため、夫が不妊治療をやめる決意をする場合も多いようです。
不妊治療を始める前にやめるプランを組もう
不妊治療は期間や費用がいくらかかるのかもカップルによって違いがあり、予測はまったくできません。そのため、不妊治療にかける期間や費用をあらかじめ決めておき、これ以上かかるようならそこでストップしようと不妊治療開始時に話し合っておくのもいいでしょう。
また、どんなに頑張って治療をしてもその努力が報われない結果になる可能性があるのが不妊治療です。
違う家族のかたちとして、養子縁組なども視野に入れて不妊治療に挑みましょう。
いずれにしても、不妊治療に踏み出す前に、お互いの気持ちをよく話し合い、不妊治療に対する計画を2人で練っておけばやめ時なども考えられるでしょう。