自宅でできる精液検査のやり方!気になる検査キットと結果をご紹介!

男性不妊症 検査 妊活の基礎知識

妊活をはじめるにあたり、現在の「自分の精子の状態」を確認するのは、男性にとってだけではなく、パートナーである女性にとっても、たいへん重要です。とはいえ、精液検査と聞いて、いったいどのように検査するのだろう?と思う男性は少なくないのではないでしょうか。

この記事では、精液検査にはどのような方法があり、そのなかでも自宅でできる精液検査の代表的な検査キットと利便性について詳しくご紹介します。

精液検査とその重要性

精液検査_重要性
現代の妊活においては「精液検査」はある意味、常識であり必須といえるものになってきています。というのも、不妊カップルの4割から5割が男性に起因するものという調査データ*があるためで、この男性に起因する不妊を「男性不妊症」といいます。

*出典:日本産科婦人科学会「日産婦誌59巻4号」(2007年4月)より

いくら女性が妊娠できる状態であっても、男性が不妊症の状態では妊娠することは難しいため、妊活においては男性が不妊症かどうかを知ることが不可欠です。このことから精液検査の重要性がおわかりいただけるのではないでしょうか。

自宅での精液検査なら忙しい男性でもできる!精液検査キットを2つご紹介

忙しい 現代人
自宅で精液検査ができるといっても、検査方法がわからなかったり、検査精度が不安な方もいることでしょう。たしかに精液の状態を知るための方法は自宅での検査だけではなく、後述するような産婦人科医や専門医に通院して受ける検査もあります。もちろん通院しての検査はより詳細なことまで把握することもできます。

しかし、なにかと多忙な現代社会にあって、妊活しようとする世代は働き盛りの世代でもあるといえます。そのため、仕事の都合がつかず通院の時間を確保するのが難しい場合も多いことでしょう。いっぽう、不慣れな産婦人科や不妊治療専門の医療機関へ行くのに抵抗がある男性も少なくないのではないでしょうか。

そのような男性でも妊活に向けたはじめの一歩として着実に精液検査ができるよう、現在は自宅にいながら精液検査ができる検査キットが販売されています。まずは、精液検査キットを利用し自分の精子量や運動量などを確認することが大切といえます。

精液検査キット:seem(シーム)

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(出典:seem ホームページ

まず初めにご紹介するのは「seem」(シーム)」で、自宅で気軽に精子の検査ができる簡易キットです。精液を採取し専門機関などへ送る必要がなく、その場ですぐに自分の精子の濃度や運動率などを確認できることが特徴です。

seem(シーム)の使い方

最初にseem(シーム)のアプリをお手持ちのスマホにダウンロードしてから、精液を採取しましょう。アプリはiPhoneとAndroidに対応しています。なお、ご自分のスマホが対応しているかはseem公式ページの「対応OS・機種」で調べておくことをお勧めいたします。

  1. キットに入っている容器に精液を採取してから15分くらい待ちます。
  2. 精液の入った容器をこぼさないように混ぜます。
  3. レンズに精液を乗せます。
  4. スマホにダウンロードしたアプリで精液を撮影します。
  5. 1分程度、動画解析を待てば濃度・運動率が算出されます。

上記のような簡単な手順を踏むだけで、精液の濃度や運動率などを確認できます。自分の精子を見るのに抵抗があったり、不安を持つ男性もいるかと思いますが、現実を知ることが妊活においてはとても重要です。
あらためて「精子の状態を知るのは男性妊活の第一歩」であると再認識して、心して挑みましょう。

精液検査キット:SuguCareメンズホームチェッカー

SuguCareメンズホームチェッカー""
(出典:Amazon SuguCareメンズホームチェッカー
「SuguCareメンズホームチェッカー」はその名の通り、自宅にいながら精子の状態を気軽に検査できるキットです。精子を採取して専門機関に持ち込んだりする必要がなく、WEB上で精子の状態を確認できます。

「SuguCareメンズホームチェッカー」では生殖技術のプロである「培養士」が精子の状態をチェックし、レポートを作成してくれるのが特徴です。また、精子について詳細な情報をWEB上で確認できるだけでなく、匿名で利用できるためプライバシーの保護にも配慮されています。

SuguCareメンズホームチェッカーの使い方

  1. キットに入っている容器に精液を採取します。
  2. スマホに専用レンズを少し載せてセットします。
  3. 精子の動きなどを見ることができ、それをスマホで撮影します。
  4. 撮影した動画をクラウド培養室にアップロードします。
  5. 培養士から精子のレポートが届きます。

精子のレポート項目って?

  1. 精液量
  2. 精子濃度
  3. 精子運動率
  4. 総精子数
  5. 総運動精子数
  6. WHOの基準値に照らし合わせたコメント

培養士とは?
培養士とは、不妊治療で体外受精などを行う場合に生殖補助医療を行う専門家です。精子について専門的知識を持っているため、生殖技術のプロといえます。

「SuguCareメンズホームチェッカー」でレポートを作成してくれる培養士は、日本卵子学会の生殖補助医療培養士、もしくは日本臨床エンブリオロジスト学会の臨床エンブリオロジストの資格者です。

男性不妊の8割は「造精機能障害」といわれています。造精機能障害とは精子の濃度や運動率が低い状態が見られる障害です。EDでなく勃起もでき射精量が十分あっても、造精機能障害だと健康的な妊娠ができないケースもあります。

精液検査キットで、精子活力を把握することは妊活をする男性にとって非常に大切なことなのです。

自宅ではなく病院で精液検査をするには

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医療機関で男性不妊の検査を受ける場合、産婦人科もしくは泌尿器科を受診します。女性医師が多い産婦人科よりも男性医師の多い泌尿器科の方が受診しやすいという声も多いようです。

精液検査は精液の濃度や運動率、奇形がないかといった検査です。精液検査を受けることで不妊の原因や治療方法、別の詳細な検査は必要かといった今後の不妊治療を行う際の指針となります。
なお、精液検査は医療機関によって診療時間が通常の診察と異なる場合もあるので、確認してから受診するようにしましょう。

病院で精液検査をするときの費用

医療機関で精子の状態を検査する場合でもそれほど費用は掛かりません。保険診療となるため高額な費用が掛かることはなく、一般的な精液検査は1,000円程度です。

しかし、精子の状態をより詳細に検査する場合は、基本的な精液検査とは別の検査を受ける必要があるため、少々費用が高くなるケースもあります。

また、お住いの自治体によっては不妊を目的とした医療サービスに対して補助金を受け取ることができます。

病院で精液検査をするときの採取方法

精液を採取する際には医療機関でマスターベーションを行い採取する方法と、自宅で採取して医療機関へ持ち込む方法があります。

医療機関で精液を採取する場合は個室が準備されるため、男性の精神的負担にならないような配慮もされています。また、精液検査を行う場合は検査前の数日はマスターベーションや性行為による射精を控え、医療機関へ行くようにしましょう。

自宅で精液を採取する場合は3時間以内に医療機関へ持ち込む必要があります。採取する容器は事前に医療機関から専用容器が用意されるので、必ず専用容器内に精液を入れて持ち込みましょう。

精子は低い温度に弱く気温によって活動率が低下することもあります。また日光なども精子の温度を高めたり変性を来す可能性があるため、紙袋などに入れて運搬するようにします。

編集部としては、精液を採取後すぐに検査できるため、医療機関での精液採取をおすすめします。

精液検査でわかる!あなたにあった妊活方法

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精液検査によって分かる精子の状態は以下の内容です。

精液量

  • 射精して採取した精液全体の量
  • 一般的に1.5㏄以上あれば正常

精子濃度

  • 精液1㏄内に精子が何匹いるか確認できる
  • 精子は数が多いため10の6乗で表すことが多い
  • 15X10^6(1,500万)匹/cc以上が正常

運動率

  • 全ての精子の中で元気に活動できている精子が何%か確認できる
  • 全ての運動精子数(精液量 X 精子濃度 X 運動率)
  • 運動率によってある程度の治療方針を決定できる

医師は運動精子数によってある程度の治療方針を判断するケースが多く、精子の濃度や運動率などにより異常ありと判断した場合、ホルモン検査などの詳細な検査を行い、最終的にどのような治療法が最も適切なのか判断します。

運動精子数別の効果的妊活方法

  • 2,000万以上・・・タイミング療法
  • 1,000-2,000万・・・人工授精
  • 500-1,000万・・・体外受精
  • 500万未満・・・顕微授精

運動精子数が2000万以上であれば一般的にはタイミング療法が有効といわれています。タイミング療法は最も妊娠しやすいタイミングに合わせて性交を行うことで妊娠する可能性を上昇させる方法です。

運動精子数が1000万から2000万の場合は人工授精が有効といわれています。人工授精は精子を子宮内に直接注入することで、卵子と精子の結合確率を高める方法です。

運動精子数が500万から1000万の場合は体外受精を検討します。採卵手術によって排卵前の卵子を体内から取り出し、精子と受精させて母胎内に戻す治療です。

運動精子数が500万未満の場合は顕微授精が推奨されます。顕微授精とは顕微鏡下で細いガラス管によって精子を卵子に直接注入する方法です。

精液検査はその日の体調によって結果にばらつきが生じます。よって、検査結果の数値で必ず上記の治療方法となる訳ではありません。

医師は上記の数値を基準に精液検査を行い、最も適した治療方法を選択します。また、医師の判断だけでなく夫婦の意志も十分に尊重し相談しながら治療方法を決定するのが大切です。

病院に持っていく精液を自宅で採取するには?

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自宅で精液を採取し医療機関に持ち込む場合は医療機関で検査キットを用意しているため、それを利用することも可能です。問診や触診などを受診して精子の採取となりますが、この時、自宅で採取したいことを医師に伝えれば専用の検査キットを用意してもらえます

また、自宅で精液を採取するために「TENGA SEEDPOD」という容器も販売されています。「TENGA SEEDPOD」とは精液を自宅で採取する場合でも、温度環境を良好な状態に保ちながら運搬を可能にした日本初の画期的な容器です。

精液採取に利用可能なTENGA SEEDPODの使い方と特徴


(出典:TENGAヘルスケア
精子は温度変化に弱く気温が高くても低くても精子に影響がでてしまいます。そのため自宅から病院へ運搬中に精子の運動率の低下や死亡するケースも出てきます。

TENGA SPEEDPODを利用すれば、温度変化もなく精子の死亡するリスクを減らして運ぶことが可能です。

TENGA SEEDPODの使い方

  1. SEEDPODの蓋を開け、容器内の温度を常温に近づけておきます。
  2. 専用容器に射精し精液を採取します。
  3. 精液の入った専用容器をSEEDPOD本体に入れてから蓋をぎゅっとしめます。

忙しくても自宅で精液検査をして妊活を進めましょう

ご紹介した精液検査キットで、男性が自分の精子の状態を確認できることをおわかりいただけたでしょうか。とはいえ、精液の状態以外にも男性不妊症の原因となる因子は存在しています。あくまで、精液検査は妊活の最初期に行うものと認識し、パートナーにも精液の状態を知ってもらうことがお勧め。

妊活はパートナーと二人三脚で進めていくもので、どちらか一方ががんばればいいというものではありません。それでもなお、気になることや不安に思うことがあれば、パートナーと一緒にお近くの医療機関を受診し、より詳しい検査や医師による診察をうけましょう。

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