「手足が冷たい」「お腹が冷える」といった冷え性の悩みを抱えながら妊活をしている方は少なくありません。実は、慢性的な冷えは単なる体質の問題ではなく、卵巣機能の低下や妊娠率に影響を与える可能性があることをご存じでしょうか。
体が冷えると血流が悪くなり、子宮や卵巣に十分な酸素や栄養が届きにくくなります。特に低温期に下腹部を温めることで、子宮や卵巣の血流が改善され、基礎体温の二相性が明確になりやすくなると言われています。
この記事では、妊活中の冷え性対策と、体を温める「温活」の具体的な方法について詳しく解説します。妊娠しやすい体づくりのために、今日から始められる温活習慣を見つけていきましょう。
妊活中に冷え性が良くない理由
冷え性は多くの女性が抱える悩みですが、妊活においては特に注意が必要です。ここでは、冷えが妊娠にどのような影響を与えるのかを詳しく見ていきましょう。
子宮や卵巣の血流が悪化する
体が冷えて血流が悪くなると、血液は心臓や脳など生命活動に必要な臓器に優先的に送られます。そのため、子宮や卵巣は後回しになり、血液循環が滞りやすくなるのです。子宮や卵巣は冷えやすい器官であり、血流が不足すると十分な酸素や栄養が届かず、その機能が低下してしまいます。子宮内膜の厚みが不十分になったり、卵子の発育が遅れたりする可能性があり、結果として妊娠しにくい状態になってしまいます。
卵巣機能が低下し排卵障害のリスクが高まる
慢性的な冷えは卵巣機能の低下を引き起こします。卵巣が冷えると卵子の成長が滞り、質の良い卵子が育ちにくくなります。発育の良くない卵子は受精しにくいだけでなく、受精しても着床しづらいという問題があります。さらに、卵巣機能の低下は排卵障害を引き起こす恐れもあり、排卵が不規則になったり、無排卵月経になったりするケースもあります。これらは妊娠率を大きく下げる要因となります。
ホルモンバランスが乱れる
冷えによって自律神経が乱れると、女性ホルモンの分泌にも悪影響が及びます。エストロゲンやプロゲステロンといった妊娠に不可欠なホルモンの分泌が不安定になると、生理周期が乱れたり、基礎体温の二相性が不明瞭になったりします。ホルモンバランスの乱れは排卵のタイミングがわかりにくくなるだけでなく、子宮内膜の状態を悪化させ、着床しづらい環境を作ってしまいます。
基礎代謝が低下し太りやすくなる
体が冷えることで基礎代謝が落ち、脂肪が燃焼しにくくなります。結果として太りやすい体質になり、肥満は排卵障害や生理不順の原因となることが知られています。適正体重(BMI18.5〜25)から外れると妊娠率が低下するため、冷えによる代謝の低下は間接的に妊活にも影響を与えます。また、脂肪組織はホルモンの代謝にも関わっており、過度な体重増加はホルモンバランスの乱れを招きます。
免疫力が低下し体調を崩しやすくなる
体温が1℃下がると、免疫力が約30%低下すると言われています。冷えによって免疫力が落ちると、風邪や感染症にかかりやすくなり、妊活のペースが乱れてしまうことがあります。また、免疫力の低下は炎症を起こしやすくなることにもつながり、子宮内膜症などの婦人科疾患のリスクを高める可能性もあります。健康な体を維持することは、妊活の基本です。
温活とは何か
温活という言葉を耳にする機会が増えましたが、具体的にどのような活動を指すのでしょうか。ここでは温活の基本と、妊活における重要性を解説します。
温活の定義と目的
温活とは、日々の食生活や生活習慣を見直して体温を上げる活動のことです。現代人は運動不足やストレス、冷暖房の過度な使用、冷たい食べ物の摂取などにより、低体温になりがちです。健康的な人の平熱は36.5℃〜37.1℃程度とされていますが、35℃台という方も珍しくありません。温活によって基礎体温を適切な状態に保つことで、血流改善、ホルモンバランスの安定、免疫力向上など、さまざまな健康効果が期待できます。
基礎体温の二相性と温活の関係
正常な基礎体温は、低温期と高温期の二相に分かれます。低温期は月経開始から排卵までの期間で、高温期は排卵後から次の月経までの期間です。この二相の差が0.3℃以上あることが健康な状態の目安とされています。低温期に下腹部を温めることで子宮や卵巣の血流が改善されると、卵子の成長が促進され、質の良い卵子が育ちやすくなります。また、ホルモンバランスが整うことで、基礎体温の二相性がより明確になり、排卵のタイミングも把握しやすくなります。
温活のタイミング—低温期を重視する理由
温活は基本的に一年を通じて継続することが理想ですが、特に意識したいのが低温期です。低温期は生理が終わった日から排卵日までの期間で、この時期に下腹部を中心に体を温めることで、卵胞の成長をサポートし、質の良い卵子が育つ環境を整えることができます。ただし、高温期はすでに体温が高くなっているため、温めすぎは逆効果になることがあります。高温期には足元を優しく温める程度にとどめ、ぬるめのお風呂に入るなど、適度な温活を心がけましょう。
効果的な温活方法
妊活中に取り入れたい具体的な温活方法をご紹介します。無理なく続けられるものから始めて、習慣化していきましょう。
入浴で体の芯から温める
シャワーだけで済ませている方は、湯船にしっかり浸かる習慣をつけましょう。38〜40℃程度のぬるめのお湯に15分ほど浸かることで、体の芯まで温まります。じんわりと汗がにじむ程度が理想的で、大量の汗をかく必要はありません。入浴には血流改善だけでなく、自律神経を整え、リラックス効果をもたらす働きもあります。妊活中のストレス解消にも役立つため、毎日の入浴タイムを大切にしましょう。入浴剤を使用する場合は、生薬を配合したものが保温効果が高くおすすめです。
体を温める食べ物を積極的に摂る
食事は体を内側から温める最も基本的な方法です。生姜、根菜類、にんにく、ネギ、かぼちゃなど、体を温める食材を積極的に取り入れましょう。特に生姜は血行を促進する作用が高く、薬味や香辛料として料理に加えやすい食材です。また、発酵食品の味噌や納豆、良質なタンパク質を含む鶏肉、魚、大豆製品もおすすめです。一方、冷たい食べ物や飲み物は体を冷やすため、妊活中は温かいものを選ぶよう心がけましょう。どうしても冷たいものが欲しい場合は、一度口の中で温めてから飲み込むと良いでしょう。
温活に適した飲み物を選ぶ
飲み物選びも温活において重要です。ルイボスティーは抗酸化作用が高く、ノンカフェインで妊活中に最適な飲み物です。ミネラルや鉄分も豊富に含まれており、卵子の質を保つことに役立ちます。タンポポ茶や黒豆茶も血流改善効果があり、温活におすすめです。生姜湯や甘酒も体を温める飲み物として知られていますが、甘酒を選ぶ際は米麹から作られたノンアルコールのものを選びましょう。反対に、コーヒーや紅茶、緑茶などカフェインを多く含む飲み物は、体を冷やし栄養の吸収を妨げることがあるため、控えめにすることをおすすめします。
適度な運動で血流を促進する
運動によって筋肉量が増えると基礎代謝が向上し、自然と体温が上がりやすくなります。ウォーキングやヨガ、ストレッチなど、無理のない範囲で体を動かしましょう。特にスクワットは下半身の大きな筋肉を鍛えることができ、骨盤周辺の血流改善に効果的です。1日20〜30分程度の運動を週に数回行うことで、冷え性の改善だけでなく、ストレス解消やホルモンバランスの安定にもつながります。激しい運動は逆効果になることもあるため、心地よいと感じる程度の運動を継続することが大切です。
温活グッズを活用する
腹巻やカイロ、レッグウォーマー、靴下などの温活グッズを活用すると、効率的に体を温められます。特にお腹を温める腹巻は、子宮や卵巣周辺の血流改善に直接的な効果が期待できます。カイロを使用する場合は、おへその下や仙骨(お尻の上にある骨)に貼ると、骨盤周りを温められます。ただし、肌に直接貼らず、就寝中の使用は避けましょう。夏場でも冷房で体が冷えやすいため、薄手のカーディガンやショールを持ち歩き、冷えを感じたらすぐに対応できるようにしておくと安心です。
低温期の温活で特に意識すべきこと
低温期は卵子が成長する大切な時期です。この時期の温活には、いくつかの重要なポイントがあります。
下腹部を中心に温める
低温期に温めるべき場所は、子宮や卵巣がある下腹部です。下腹部の血流が改善されると、子宮内膜が着床に適した厚みになり、質の高い卵子の成長にも好影響を与えます。子宮内膜や卵巣も血液によって運ばれる酸素や栄養で成長するため、下腹部を温めることは妊活において非常に重要です。腹巻やホッカイロを活用して、日常的に下腹部を保温する習慣をつけましょう。
骨盤周りのケアを取り入れる
デスクワークなどで長時間座っている方は、骨盤周りの血流が滞りやすくなっています。入浴後や就寝前に開脚前屈などの骨盤ストレッチを行い、骨盤周りの筋肉をほぐしましょう。また、締め付けの強い下着は血流を妨げるため、シームレスショーツやコットン素材のゆったりしたショーツを選ぶことをおすすめします。骨盤周りの血流が良くなると、子宮や卵巣への栄養供給が促進され、妊娠しやすい体づくりにつながります。
足元の冷えにも注意する
「冷えは足元から」と言われるように、足先が冷えると全身の血流が悪化します。靴下やレッグウォーマーを活用して、足元を常に温かく保ちましょう。特に「三首」と呼ばれる首、手首、足首は冷えやすい部位なので、意識して温めることが大切です。足湯も効果的で、40℃程度のお湯に10〜15分足を浸けるだけで、全身がぽかぽかと温まります。
生活リズムを整える
基礎体温を正確に測定し、二相性を確認するためには、規則正しい生活リズムが重要です。十分な睡眠をとり、毎朝同じ時間に起きる習慣をつけましょう。睡眠不足やストレスは自律神経を乱し、体温調節機能に影響を与えます。質の良い睡眠は成長ホルモンの分泌を促し、卵子の成長にも良い影響をもたらします。就寝前のスマートフォンの使用を控え、リラックスした状態で眠りにつくよう心がけましょう。
高温期の温活で気をつけること
高温期はすでに体温が高くなっている時期です。この時期の温活には、低温期とは異なる配慮が必要です。
温めすぎに注意する
高温期はプロゲステロンの作用で体温が上昇しているため、温めすぎは逆効果になることがあります。体温が37.5℃以上に上がりすぎると、かえって体調を崩したり、着床に悪影響を及ぼす可能性があります。高温期には激しい運動や長時間の入浴、サウナや岩盤浴は避け、足元を中心に優しく温める程度にとどめましょう。お風呂に入る場合は、ぬるめのお湯に短時間浸かる程度が適切です。
着床期の過ごし方
排卵後7日目前後は着床期にあたり、受精卵が子宮内膜に着床する大切な時期です。この時期は無理な運動や体を温めすぎる行為は控えめにし、リラックスして過ごすことが重要です。ただし、冷やさないことも大切なので、適度な保温は続けましょう。過度なストレスは着床を妨げる可能性があるため、心身ともにゆったりと過ごすよう心がけてください。
基礎体温の変化を観察する
高温期が14日以上続く場合は、妊娠の可能性があります。基礎体温を毎日測定し、記録することで、妊娠のサインを早期に捉えることができます。一方、高温期が9日以内と短かったり、体温が安定しない場合は、黄体機能不全の可能性があります。基礎体温のパターンに異常が見られる場合は、婦人科や不妊治療専門クリニックに相談することをおすすめします。
日常生活でできる冷え性対策
温活は特別なことをするだけでなく、日常生活の中で冷えを防ぐ工夫も大切です。ここでは、毎日の生活で取り入れやすい冷え性対策をご紹介します。
服装の工夫
夏場でも冷房が効いた室内では体が冷えやすいため、季節を問わず温かい服装を心がけましょう。薄手のカーディガンやストールを持ち歩き、寒さを感じたらすぐに羽織れるようにしておくと便利です。インナーは保温性の高いものを選び、特にお腹周りを冷やさないよう腹巻を活用しましょう。素材は吸湿性に優れた綿や、保温性の高いウールなどがおすすめです。
姿勢の改善
猫背や前かがみの姿勢は、骨盤周りの血流を悪化させます。デスクワークの際は定期的に姿勢を正し、1時間に一度は立ち上がって軽くストレッチをしましょう。骨盤を立てて座ることを意識すると、子宮や卵巣への血流が改善されます。また、足を組む癖がある方は、血流を妨げるため控えるようにしましょう。
ストレス管理
ストレスは自律神経を乱し、血管を収縮させて体を冷やします。妊活中は何かとプレッシャーを感じやすいものですが、趣味の時間を持ったり、パートナーとコミュニケーションを取ったりして、ストレスを溜め込まないよう心がけましょう。深呼吸や瞑想、アロマテラピーなど、リラックスできる方法を見つけて実践することも効果的です。
睡眠環境の整備
良質な睡眠は体温調節機能を正常に保つために重要です。寝室の温度は18〜20℃程度が理想的で、寝具は季節に応じて調整しましょう。冬場は湯たんぽを使って布団を温めておくと、体が冷えずに快適に眠れます。ただし、電気毛布や湯たんぽを使う場合は、就寝時には外すか温度を下げるようにしましょう。温めすぎると睡眠の質が低下することがあります。
温活を継続するためのコツ
温活は一時的なものではなく、習慣化することで効果が現れます。ここでは、無理なく温活を続けるためのコツをご紹介します。
無理のない範囲で始める
すべての温活方法を一度に取り入れようとすると、かえってストレスになります。まずは自分にとって取り入れやすいものから始め、徐々に習慣を増やしていきましょう。「毎日湯船に浸かる」「温かい飲み物を選ぶ」など、シンプルなことから始めることをおすすめします。小さな習慣の積み重ねが、大きな変化をもたらします。
パートナーと一緒に取り組む
温活は女性だけでなく、男性の妊活にも有効です。パートナーと一緒にウォーキングをしたり、温かい食事を楽しんだりすることで、二人で妊活に向き合う時間が増え、絆も深まります。お互いに励まし合いながら続けることで、モチベーションも維持しやすくなります。
季節に応じた工夫をする
温活は一年を通じて意識したいものですが、季節によって工夫が必要です。夏場は冷房対策として上着を持ち歩き、冷たい飲み物を控えめにしましょう。冬場は重ね着や温活グッズをフル活用して、体を冷やさないよう注意します。春や秋は気温差が大きいため、その日の天候に合わせて柔軟に対応することが大切です。
記録をつけてモチベーションを保つ
基礎体温とともに、その日の温活内容や体調の変化を記録しておくと、自分に合った温活方法が見えてきます。また、記録を振り返ることで「続けられている」という実感が得られ、モチベーションの維持にもつながります。スマートフォンのアプリを活用すれば、手軽に記録を残すことができます。
まとめ
妊活中の冷え性対策と温活は、妊娠しやすい体づくりの基本です。慢性的な冷えは卵巣機能を低下させ、妊娠率に影響を与える可能性があります。特に低温期に下腹部を温めることで、子宮や卵巣の血流が改善され、基礎体温の二相性が明確になり、質の良い卵子が育ちやすい環境が整います。
効果的な温活方法としては、入浴で体の芯から温める、体を温める食べ物や飲み物を選ぶ、適度な運動で血流を促進する、温活グッズを活用するなどがあります。低温期は下腹部を中心に積極的に温め、高温期は温めすぎに注意しながら優しく保温することが大切です。
温活は一日で効果が出るものではなく、継続することで体質が改善されていきます。無理のない範囲で生活に取り入れ、パートナーと一緒に楽しみながら続けることをおすすめします。体を温めることで、血流が改善され、ホルモンバランスが整い、免疫力も向上します。これらはすべて妊娠しやすい体づくりにつながります。
基礎体温のパターンに異常が見られる場合や、温活を続けても冷えが改善されない場合は、婦人科や不妊治療専門クリニックに相談しましょう。専門家のアドバイスを受けることで、より効果的な対策を講じることができます。
あなたの妊活が実り豊かなものになるよう、フューチャーファミリーは応援しています。温活を通じて、心身ともに健やかな妊活ライフを送りましょう。