妊活を始めるにあたって、「運動した方がいいのかな?」「でも激しい運動は避けた方がいいって聞いたことがある…」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
実は、適度な運動は血流を改善し、ホルモンバランスを整え、ストレスを軽減するなど、妊娠しやすい体づくりに多くのメリットをもたらします。一方で、過度な運動は妊娠率の低下につながる可能性があることも研究で明らかになっています。
この記事では、妊活中におすすめの運動方法と、控えるべき運動について詳しくご紹介します。自分に合った運動を見つけて、無理なく続けられる妊活ライフを送りましょう。
妊活中に運動が大切な理由

妊活において運動が注目されるのには、いくつかの明確な理由があります。ここでは、運動が妊娠しやすい体づくりにどのように貢献するのかを見ていきましょう。
血流改善で子宮・卵巣の機能を高める
運動をすることで全身の血液循環が促進され、子宮や卵巣に十分な酸素と栄養が届きやすくなります。血流が良好な状態は、子宮内膜を着床に適した環境に整え、卵巣の健康を保つために欠かせません。特に骨盤周辺の血流が滞ると、生殖機能に悪影響を及ぼす可能性があるため、日常的に体を動かす習慣が重要になります。
基礎代謝の向上とホルモンバランスの安定
基礎代謝とは、呼吸や体温維持など生命活動に必要な最低限のエネルギー消費のことです。運動によって筋肉量が増えると基礎代謝が向上し、体温が上がりやすくなります。これは冷え性の改善にもつながり、結果としてホルモンバランスの安定が期待できます。女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンの分泌が整うことで、生理周期が規則正しくなり、妊娠しやすい体質へと近づいていきます。
ストレス軽減と精神的な健康維持
妊活中は「いつ妊娠できるのか」という不安やプレッシャーから、ストレスを感じやすくなります。運動中に分泌されるエンドルフィンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、気分を前向きにしてくれる働きがあります。また、適度な運動は自律神経のバランスを整え、リラックス効果をもたらします。ストレスが過剰になると活性酸素が増加し、卵子や精子の質を低下させる可能性があるため、運動によるストレス管理は妊活において非常に重要です。
適正体重の維持と生活習慣病の予防
肥満や極端な痩せすぎは、どちらも妊娠率に影響を与えることが知られています。適度な運動習慣は健康的な体重管理をサポートし、BMI値を適正範囲(18.5〜25)に保つことに役立ちます。また、運動は糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防にもつながります。これらの疾患は妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスク要因となるため、妊活中から予防しておくことが大切です。
妊活中におすすめの運動

ここからは、妊活中に取り入れたいおすすめの運動を具体的にご紹介します。いずれも体への負担が少なく、継続しやすいものばかりです。
ウォーキング
妊活中の運動として最も手軽で効果的なのがウォーキングです。特別な道具や場所を必要とせず、誰でもすぐに始められるのが魅力です。1日20〜30分程度、軽く息が上がる程度の速さで歩くことを目標にしましょう。研究によると、毎日35分程度のウォーキングは妊娠率の向上に関連していることが示されています。姿勢を正し、大股でリズミカルに歩くことで、骨盤底筋のトレーニングにもなります。通勤時に一駅分歩く、エレベーターの代わりに階段を使うなど、日常生活の中で工夫して取り入れると継続しやすくなります。
ヨガ
ヨガは呼吸法とポーズを組み合わせることで、心身のリラックス効果が高く、妊活中の女性に人気の運動です。ホルモンバランスを整えるポーズや骨盤周りの血流を促進するポーズなど、妊活に適した動きが多く含まれています。柔軟性が低い方でも、無理のない範囲で始められるのがメリットです。自宅でDVDや動画を見ながら行うこともできますし、ヨガ教室に通えば専門家の指導を受けられ、気分転換にもなります。ホットヨガはダイエット効果も期待できますが、体温が上がりすぎないよう注意が必要です。
ストレッチ
ストレッチは特別なスペースや道具を必要とせず、自宅でいつでも手軽にできる運動です。筋肉の柔軟性を高めることで血流が改善され、特に骨盤周辺や下半身のストレッチは子宮や卵巣への血液供給を促進します。朝起きた時や就寝前、家事の合間など、こまめに取り入れることで体のこわばりがほぐれ、リラックス効果も得られます。睡眠の質を高める効果も期待できるため、妊活中のストレス対策としても有効です。
ピラティス
ピラティスは体幹を鍛えながら柔軟性も高められる運動で、妊活中の体づくりに適しています。インナーマッスルを強化することで姿勢が改善され、骨盤底筋群の強化にもつながります。妊娠中や出産後の体力維持・回復にも役立つため、妊活中から始めておくとメリットが大きいでしょう。呼吸を意識しながらゆっくりと動くため、リラックス効果も得られます。
スクワット
下半身の大きな筋肉を鍛えるスクワットは、基礎代謝の向上に効果的です。特に腸腰筋と呼ばれる腰から太ももをつなぐ筋肉を動かすことで、子宮や卵巣周辺の血流が改善されます。心臓から下半身へ血液を送る際には必ず骨盤内の臓器を通るため、スクワットによって血液循環が促進されると、妊活に必要な栄養や酸素が子宮・卵巣に届きやすくなります。1日10〜15回程度を目安に、無理のない範囲で取り入れましょう。正しいフォームで行うことが大切なので、最初は動画などを参考にするとよいでしょう。
軽いサイクリング
自転車をこぐ動作は下半身の血流を促進し、有酸素運動としても効果的です。毎日15分程度のサイクリングは妊娠率の向上に関連するというデータもあります。ただし、激しい上り坂や長時間のサイクリングは避け、平坦な道を楽しむ程度にとどめましょう。パートナーと一緒にサイクリングを楽しめば、コミュニケーションの時間にもなり、ストレス解消効果も高まります。
妊活中に控えるべき運動

適度な運動が妊活に良い一方で、過度な運動や特定の種類の運動は妊娠率を下げる可能性があります。ここでは、妊活中に注意すべき運動について解説します。
激しい長時間の有酸素運動
研究によると、毎日60分以上の激しい運動を行う女性は、そうでない女性と比べて妊娠率が低下することが報告されています。長時間のランニングやハードなエアロビクスは、体内のミトコンドリアが筋肉のエネルギー生成に多く消費され、卵子の質を保つために必要なエネルギーが不足する可能性があります。また、過度な有酸素運動は活性酸素を増やし、酸化ストレスによって卵子や精子の老化を促進するリスクもあります。ランニングをする場合は、1日20分程度の短時間にとどめ、特に排卵後や着床期は控えめにすることをおすすめします。
無酸素運動(短距離走・高負荷の筋トレ)
短距離走のような瞬発力を必要とする無酸素運動は、生理周期を乱す可能性があるため妊活には不向きです。また、高負荷の筋力トレーニングで過度に筋肉をつけると、女性の場合は体脂肪率が下がりすぎて正常な排卵が行われなくなるリスクがあります。体脂肪率が17%以下になると、排卵に必要なレプチンというホルモンの分泌が減少し、無月経や月経異常を引き起こす可能性が高まります。筋トレを行う場合は、軽い負荷で適度な回数にとどめることが大切です。
体を冷やす運動
水泳やスケートなど、体温を下げやすい運動は妊活中は注意が必要です。体が冷えると血流が悪化し、子宮や卵巣の機能に悪影響を及ぼす可能性があります。どうしても水泳を続けたい場合は、温水プールを選び、運動後は体を十分に温めるようにしましょう。また、冬場の屋外での運動も体を冷やしやすいため、服装に気をつけたり、時間帯を工夫するなどの配慮が必要です。
転倒・接触リスクの高いスポーツ
バスケットボールやサッカー、スキーなど、転倒や接触の危険性が高いスポーツは、妊活中は控えた方が安全です。妊娠に気づいていない可能性もあるため、万が一の怪我が妊娠初期の胎児に影響を与えるリスクを避けるべきです。また、怪我をすると妊活自体が中断されてしまうことにもなります。骨折などの大怪我の場合、完治まで数ヶ月かかることもあり、その間の妊活機会を失うことになります。
競技性の高いスポーツ
勝敗を競うスポーツは、精神的なストレスやプレッシャーがかかりやすく、妊活中には推奨されません。ストレスは自律神経のバランスを乱し、ホルモン分泌に悪影響を及ぼします。楽しみながら体を動かせるレクリエーション的な運動を選ぶことが、妊活中の運動には適しています。パートナーと協力しながら楽しめる運動を見つけることで、二人の絆も深まります。
妊活中の運動で気をつけるべきポイント

運動を妊活に効果的に取り入れるために、以下のポイントに注意しましょう。
継続できる運動を選ぶ
どんなに効果的な運動でも、続けられなければ意味がありません。自分のライフスタイルに合った、無理なく楽しめる運動を選びましょう。週に2〜3回、1回20〜30分程度を目安に、日常生活の一部として習慣化することが大切です。「毎日必ずやらなければ」と考えるとかえってストレスになるため、「できる時にやる」という柔軟な姿勢で臨みましょう。
体調に合わせて調整する
生理中や体調が優れない日は、無理に運動する必要はありません。特に排卵後から生理前の黄体期は体がデリケートになっているため、軽めの運動にとどめるか、ストレッチ程度にする配慮も必要です。自分の体のサインに耳を傾け、無理をしないことが最も重要です。
こまめに水分補給をする
運動中は汗をかいて水分が失われるため、こまめな水分補給が欠かせません。水分不足は血流の悪化につながり、子宮や卵巣への栄養供給に影響を与える可能性があります。運動前、運動中、運動後のそれぞれのタイミングで、少量ずつ水分を摂るよう心がけましょう。
体温が上がりすぎないように注意する
運動によって体温が37.5℃以上に上昇すると、排卵や着床に影響を及ぼす可能性があります。適度に休憩を取りながら運動し、体温が上がりすぎないよう注意しましょう。特に夏場や室温の高い環境での運動は、体温管理に気をつける必要があります。
BMIを適正範囲に保つ
体重÷(身長m)²で計算されるBMI値は、22が理想的とされています。妊活中は18.5〜25の範囲内を目標に、定期的にBMI値をチェックしましょう。痩せすぎ(BMI18.5未満)も太りすぎ(BMI25以上)も妊娠率に影響するため、運動と食生活のバランスを取りながら適正体重を維持することが大切です。
パートナーと一緒に楽しむ
可能であれば、パートナーと一緒に運動することをおすすめします。男性の妊活にも運動は有効であり、二人で取り組むことでコミュニケーションが深まり、妊活へのモチベーションも高まります。ウォーキングやヨガ、サイクリングなど、カップルで楽しめる運動を見つけて、共通の趣味として続けていきましょう。
専門家に相談する
持病がある方や体力に不安がある方は、運動を始める前に医師やトレーナーに相談することをおすすめします。自分の体の状態に合った運動プランを立てることで、安全かつ効果的に妊活をサポートできます。不妊治療を受けている場合は、担当医に運動について相談し、治療内容に応じた運動を選ぶようにしましょう。
まとめ
妊活中の運動は、適度に行えば血流改善、ホルモンバランスの安定、ストレス軽減など多くのメリットをもたらします。ウォーキング、ヨガ、ストレッチ、スクワットなどの負担の少ない運動を、1日20〜30分程度、週に数回行うことが理想的です。
一方で、長時間の激しい運動や高負荷の筋トレ、体を冷やす運動、転倒リスクの高いスポーツは控えるべきです。過度な運動は妊娠率を下げる可能性があることを理解し、自分の体調に合わせて無理なく続けられる運動を選びましょう。
妊活は心身ともに健康であることが基本です。楽しみながら体を動かし、パートナーと一緒に前向きに取り組むことで、妊娠しやすい体づくりを目指していきましょう。運動習慣を身につけることは、妊娠後の体力づくりや産後の回復にも役立ちます。
何か不安なことがあれば、遠慮なく医師や専門家に相談してください。あなたの妊活が実り豊かなものになるよう、フューチャーファミリーは応援しています。