不正出血ってなに?妊活男性が知るべき出血原因と検査方法とは

妊活の基礎知識

生理中でもないのに女性器から出血したり、生理中でも普段とは違う様子で出血すると、女性ならどうしても不安になります。

不正出血がおこったら直ちに病気というわけではないものの、重大な病気のサインということもありえます。

妊活中の男性は女性の不正出血について理解を深めておくことで、不安なパートナー女性の心情に寄り添いましょう。

不正出血ってなに?

不正出血ってなに

  • 月経(生理)以外に女性器から出血
  • 月経期間中、いつもより極端に出血量が多い、逆に少なすぎる
  • 月経がいつもよりかなり長い、逆に短すぎる
  • 不定期に繰り返し起こる出血

こうした状態を不正出血といいます。

不正出血にはほかの症状を伴う場合も多いようです。例えば、今までよりも生理痛がひどい、いつもの月経の血とは違って出血がサラサラしていたり、塊がいつもよりずっと大きいといった症状がみられることがあります。

なお、痛みがひどい場合や貧血を起こすほどの出血量があり、明らかに異常な場合は、必ず医療機関を受診して原因を突き止め治療しましょう。

不正出血になる原因とは

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不正出血が起きる原因は様々です。

ストレスによる自律神経の乱れやホルモンバランスの崩れから起こるケースもありますし、何か病気が隠されている場合もあります。

ストレスによる自律神経の乱れやホルモンバランスの崩れが原因に

現代は、女性の社会進出が当たり前の社会です。女性が責任ある役職を任されることも多くなっています。そうすると、やはりストレスも多くなりますし、夜遅くまで酒席に参加しなければならなかったり、あるいは多忙で睡眠時間も少なくなったり、食事時間もバラバラになったり・・という人は少なくありません。

当然、こうした生活を送っていると自律神経が乱れたり、ホルモンバランスにも崩れが生じやすくなってしまいます。

ホルモンバランスが崩れてしまうと、月経における「子宮内膜の増殖と剥離」というプロセスがうまく働かなくなり、不正出血の原因となるケースもあります。

また、ダイエットなどで極端な食事制限をすることでホルモンバランスを崩してしまい、不正出血をおこすケースもあるようです。

卵巣機能不全

卵巣機能不全とは、卵巣のはたらきが不十分になった状態で、生理が来なかったり、生理が終わらなかったりなど不正出血を引き起こす原因となります。卵巣機能不全の原因としては、ストレスやダイエットなどの体重変化や悪い生活習慣なとが考えられています。

不正出血が起こる病気

不正出血は何かの病気が元になって起きるケースもあります。不正出血が見られる病気としては、卵管ガンの他、子宮ガンや膣ガンなどのガン、子宮内膜症、子宮頸管炎やポリープ、また膣の病気も考えられます

膣の病気:膣炎

膣は性行為によって感染を起こしやすい部位です。また肛門とも近いため大腸菌などが膣内に入りこみやすく、それによって感染症を引き起こす可能性があるので注意が必要です。膣炎の場合の不正出血は、性感染症や細菌性膣炎などで膣の粘膜がダメージを受けて出血してしまうほか、おりものがにおう、量が多くなる、発熱といった症状もみられるようです。

膣の病気:萎縮性膣炎

閉経後の女性に多いといわれる疾患で、閉経によって女性ホルモンの分泌が下がり、膣粘膜が乾燥し、摩擦などによって出血します。乾燥していると性行為の摩擦で出血するケースが多いとされています。

子宮系の病気:子宮内膜炎

大腸菌やブドウ球菌、クラミジアなどの感染によって子宮内膜の炎症から不正出血を起こします。おりものの増加、下腹部の痛みなどの初期症状があり、炎症が広がると不正出血、黄色や血液の混ざったおりものがみられるようになります。

子宮系の病気:子宮内膜症

本来あるはずのない子宮内膜に似た細胞組織が、卵管など色々なところに発生し、出血や激しい痛みなどを起こします。現代では10代、20代にも多くなっている疾患で、下腹部痛のほか腰痛や排便時に痛むなどの症状も見られるようです。

子宮系の病気:子宮外妊娠

子宮以外で妊娠する異常妊娠です。そのほとんどが卵管妊娠といわれ、妊娠した時と同様につわりのような症状や胸が張るなどの症状を訴える方もいます。

また無症状の方が多く、不正出血して生理がきたと思い、発見が遅れてしまいます。気が付かずに自然流産する場合もありますが、卵管破裂を起こして大量出血する場合もあり、最悪死亡するケースもあります。

子宮系の病気:子宮筋腫

子宮の筋肉内にできる良性の腫瘍が子宮筋腫です。月経量が多くなり、月経の時期でもないのにだらだらと出血が続き、医療機関を受診する人も多いようです。慢性的な貧血状態となる女性もいますし、下腹部に痛みを生じる方もいます。

がん:子宮がん

子宮がんは、20代から30代に多いと言われる子宮の入り口にできるがんです。性交渉でHPV「ヒトパピローマウイルス」に感染することによって発症する場合が多く、初期症状がなく、じわじわと数年かけてがんに移行します。おりものの量が多い、色が茶色い、生理の期間がいつもより長くなっている、不正出血がある…などさまざまな症状があります。

がん:子宮体がん

子宮がんとは違い、50代に多くなるがんです。子宮内膜の細胞が悪性腫瘍化してがんになります。現代では30代にも発症する方が多くなっています。

主な原因は、無理なダイエットや加齢によってホルモンバランスが乱れるためと言われています。子宮体ガンは発症の初期段階から不正出血の頻度が高く、おりものも変化するので気が付きやすいがんと言われています。

病院で行われる不正出血の検査ってどんなもの?

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不正出血が起こったら、医療機関で検査を受けるのがおすすめです。婦人科系の検査というと億劫になってしまう女性も大野ですが、病気を発見できて早期治療につなげることができる可能性もあります。

不正出血の検査の流れ

不正出血の検査は、以下のような流れになります。

  1. 妊娠の可能性の有無
  2. どこから出血しているか確認
  3. 機能性出血なのか器質性出血なのかの見極め
    • 機能性出血・・・子宮内膜からの不正性器出血の中で妊娠や子宮体部からの器質的病気を除外した出血
    • 器質性出血・・・病気の可能性がある出血
  4. 女性ホルモン剤や乳がん治療薬を利用しているか確認
  5. 出血傾向のある内科的な疾患がないか確認

原因が突き止められれば、不正出血の原因疾患を治療することになります。

妊活と不正出血

妊活と不正出血
妊活をしているときに不正出血が起こることも十分に考えられます。まず妊活をしている女性が、不正出血を見て思い当たるのが「着床出血」ではないでしょうか。

着床出血とは

着床出血とは、受精した卵子が子宮の内膜に着床した後、さらに子宮内膜へ潜り込むのですが、このときに起こる出血のことで、妊娠の初期症状のひとつです。

なお着床出血は、妊娠すればかならずあるわけではありません。経産婦のほうが多いとは言われていますが、着床出血の起こる確率は諸説あり定まっていません。

また、通常の着床出血は少量でペーパーや下着に少しつく程度ですから、あまりに出血量が多いときは別の原因だと考えたほうがよさそうです。

不正出血は妊活への影響あり

これまで見てきたように、女性の不正出血は、体調の変化を表しています。妊活においては、卵巣機能不全などであれば、妊娠率に確実に影響します。またそのほかの病気であれば、正常な妊娠にも影響する可能性があります。

そのため、不正出血があれば医療機関で検査をおこない、適切な治療をしたほうが妊活をスムーズに進めることができる可能性が高まります。

不正出血の予防法はストレスを溜めないこと

不正出血の予防法はストレスを溜めないこと
とくに不正出血の原因となる病気が検査で見つからず、日常生活が原因で不正出血が起きていると考えられる場合には、生活習慣を見直す必要があります。

仕事やプライベートで常にストレスを受けていると、性腺刺激ホルモン分泌を抑制する副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン「CRH」の分泌が促され、卵巣機能不全となり不正出血を引き起こす可能性があります。複雑な社会となった現代で、ストレスを全く受けずに生活するのは難しいですが、ストレスを解消する術を持っていれば、体の不調や不正出血の予防策となります。

例えば音楽を聞いてリラックスする時間を作ったり、スポーツを思いきり楽しんだり、定期的に温泉に出かけたり・・自分のリフレッシュ方法を持っていれば、ストレスと多少はうまく付き合っていけることでしょう。

不正出血は早めの検査を

不正出血は早めの検査を
不正出血が病気のサインである場合もありますので、早めに医療機関で検査しましょう。

また、不正出血がなくても、1年に1回婦人科系の定期健診を受けるのがおすすめです。若い年代に多い子宮頸がんも更年期世代に多い子宮体がんも、定期健診を受けていれば早期に発見することができますよ。

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