妊活にはBMIと体脂肪率が重要!効果的な運動とダメな運動を解説

妊活の基礎知識

妊活には、体脂肪率とBMIが重要です。もちろん女性だけではなく、男性の肥満度も妊娠に深く関わっています。

この記事ではBMI(肥満度)と体脂肪率をコントロールすることの重要性と、妊活時の体重コントロールに適した運動と避けるべき運動を紹介していきます。

女性が子供を授かるのに適性なBMIは「22」

子供_適性な体""

BMIとは

BMIとは、Body Mass Indexの頭文字で、世界共通の肥満度の指標です。BMIは計算によって求めることができます。

BMI = [体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]

この計算式で求められたBMIが、日本肥満学会の定めた基準では、18.5以上25未満が「普通体重」とされています。
たとえば、身長が160cn(=1.6m)ですと、理想の体重(=BMIが22となる体重)は、56.3kgとなります。またこの場合の普通の体重は47.36kg以上、64kg未満となります。

参考:日本肥満学会の肥満度分類

BMI 判定
18.5未満 低体重
18.5以上25未満 普通体重
25以上30未満 肥満(1度)
30以上35未満 肥満(2度)
35以上40未満 肥満(3度)
40以上 肥満(4度)

【編集部解説】スマホの計算機アプリなどで簡単にBMIを計算する方法

スマホの計算機アプリなどを起動してます。ここでは身長155cmで体重55kgの人を例に説明します。

まずは準備として、日本ではcmが主流の身長をmに換算しましょう。たとえば身長155cmであれば、1.55mとなります。この換算は計算機で、cmの身長を「100」で割ると計算できます。

1) 体重(kg)を身長(m)で割る計算を1回おこないます。
計算機の表示
55 ÷ 1.55 = 35.4838709677

2) 1)の計算結果が表示されたら、さらにその値を身長でもう1回割ります。
計算機の表示
35.4838709677 ÷ 1.55 = 22.8928199791

3) 表示されている「22.8928199791」があなたのBMIです。

男女ともに妊活に適性なBMIは「BMI22」

妊活する際に病院から体重管理の指導を受ける場合があります。これは太りすぎも痩せすぎも妊活にとってあまり良いことではないためです。妊活ではBMI22程度が理想的*と言われています。

もし、現在のBMIが22より高い場合には、食事の調整だけでなく運動も行って筋肉を増やしたりぜい肉を落としたりして、理想体重を目指すようにしましょう。

逆に現在のBMIが22より低い場合には、低体重や痩せすぎなどが考えられます。痩せすぎでも妊活にはよくないので、理想の体重を目指して筋肉をつけるなどしていきましょう。

運動は無理なく続けられるものから始めるのがいいでしょう。ウォーキングをする時間が取れない場合には、エレベーターを使わずに階段を使うようにしたり、電車で座らずに立つようにしたり、といった運動から始めれば十分です。

「早めに痩せなければ」という気持ちで取り組んでしまうと、どうしてもストレスを感じてしまいます。無理なダイエットは体調を崩す原因にもなるため、妊活では逆効果です。ストレスにならない程度に体を動かすことを心がけましょう。楽しく運動を続けて少しずつ痩せることに心がけ、楽しみながら続けることが理想的です。

妊活に適性な体重は「BMI22」

また男性のBMIが30以上になり肥満症になると、出産率が低くなり、妊娠ロス率が高くなるという研究結果があります。

体外受精を受けた夫婦における男性BMIと出産率の割合

男性の肥満も妊活にはよくないということを肝に銘じて、必要であれば運動をしてBMI改善に取り組みましょう。

妊活に理想的な体脂肪率は「22%~27%」

BMIは体型をあらわす指標ですが、体重に占める脂肪の割合をあらわす体脂肪率も重要です。というのも、身長と体重がほぼ同じであればBMIもほぼ同じですが、体脂肪率は必ずしもBMIとほぼ同じになるというわけではありません。

つまり、同じ身長・同じ体重の人でも、脂肪が多い人や筋肉が多い人などの身体組成には違いがあり、体脂肪率も異なってくるのです

この場合、何が問題かというと、BMIが同じでも、体脂肪率が高くて肥満だったり、体脂肪率が低すぎて痩せすぎると妊活に悪影響があるということです。

具体的には、体脂肪率が22%を下回ると月経が不順になりやすく、いっぽう体脂肪率が17%を下回ると月経が止まる危険性が高いことがわかっています。

さらに、体脂肪率が30%を超えると妊娠率は低下するといわれています。脂肪が増えすぎるとレプチンというホルモンが過剰に分泌され、結果として性ホルモンの分泌に異常を来たし、排卵障害などを引き起こします。その一例がPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)です。

体脂肪率は低すぎても高すぎても妊娠には悪影響を及ぼします。体重管理だけではなく、体脂肪管理も妊活に取り入れるのがおすすめです。

体脂肪を落としやすい食事とは

食事は、主食・主菜・副菜が揃ったバランスが良い食事を心がけましょう。野菜や海藻・キノコ類などから食物繊維を摂るといいでしょう。

また食べる際には、よく噛んで食べると内臓の負担を減らすことにつながり、内臓の機能改善と基礎代謝アップを促すことが可能です。こうすることで体脂肪が減りやすくなります。

もちろん食べ過ぎは禁物ですので、ほどほどの食事量にしましょう。

妊活中に適正なBMI・体脂肪率に導く効果的な運動とは?

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妊活には効果的と言われる運動があります。運動するとからだが温まるほか、血流が促進され卵巣や子宮内膜の状態が妊娠に適した状態へ導くことができます。

くわえて、基礎代謝をアップしつつ、脂肪をしっかりと燃焼するようゆっくりとした呼吸でおこなう有酸素運動が効果的。

具体的に取り入れると良いとされているのは筋トレやウォーキング、ヨガなどです。

道具などを新たに買う必要もなく、明日からはじめるには持ってこいです。

筋トレ

筋トレには基礎体温を向上したり、ホルモンバランスを整えるメリットがあります。筋トレをすると体に適切な筋肉をつけることができ、基礎体温が上昇します。筋力があがれば脂肪の燃焼効率も高くなっていきます。

また、基礎体温が上がると、妊活中の基礎体温管理において変化がとても分かりやすくなるようです。基礎体温表の変化が明確になると、高温期や低温期が見極めやすく、性交のタイミングも分かりやすくなります。

また、睡眠の質の向上や自律神経のバランスを整える働きが期待されます。妊活中に多いストレスの緩和にも効果的で、ちょっとした運動によって、自然に妊娠しやすい体が作られると期待されています。
筋トレは妊活に効果的な運動

骨盤底筋を鍛えましょう

骨盤底筋とは、文字通り骨盤の底にある筋肉の総称で、骨盤のなかにある臓器(子宮、膀胱、直腸など)を支えています。

筋肉を鍛える筋トレときくと、外から見える筋肉を思い浮かべ待ちですが、骨盤底筋はインナーマッスルですので、外からは見えません。

骨盤底筋が妊活に必要なのは、妊娠した際に大きくなる子宮を骨盤から外に出ないように支えたり落ちないようにする筋肉だから。
鍛えにくい筋肉なので、意識して鍛えるようにしましょう。

骨盤底筋を鍛える簡単な筋トレ(ケーゲル体操)
肛門に力を入れて、キューっと穴を閉じます。便を我慢するイメージです。これを数秒おこない、ゆっくりと力を緩めます。これを5回ほど繰り返します。
同様に、尿を我慢するイメージで前の方の筋肉に力を入れ、キューっとしめます。数秒ほど力を入れたら緩めましょう。これもまた5回ほど繰り返します。

ウォーキング

妊活中は運動不足の女性が多いといわれていますので、ウォーキングは最初にストレッチをして、体をほぐしてから行うのがおすすめです。

ウォーキングは20分までは糖代謝から脂肪を燃焼する有酸素運動へ切り替わるといわれています。そのため、30分以上続けると効果的と言われており、歩くときに腕や足を大きく動かすようにすると、全身の筋肉が動かせます。歩き終わった後には、10分ほどクールダウンのストレッチを行うようにしましょう。

週に2回程度行えば十分効果的で、長く続けるためにも、無理なく歩ける時間から始めましょう。
ウォーキングは妊活に効果的な運動

ヨガ

ヨガも妊活ではとても人気があります。呼吸を意識することで自律神経の調子を整え、ストレスの解消にも効果的です。基礎代謝を高めたり、インナーマッスルを鍛えるポーズもあるので、脂肪燃焼にも効果が期待できますよ。

最近では、教室に通わなくてもネット動画やDVDもあるので、自宅でも始めることが可能です。妊活におすすめの動きをまとめたものもあります。
ヨガは妊活に効果的な運動

隙間時間でのストレッチや簡単な筋トレがおすすめ

なかなか運動の時間が取れないという人は、自宅で10分程度のストレッチや筋トレをするのも十分効果的です。さきほど20分以上続けたほうがよいと書きましたが、最近の研究では、5分、10分と小分けになっても有効であることがわかってきています。

筋トレの中でも、特にスクワットは下肢の筋肉を鍛えることができ下半身を温める効果があります。また、下半身を温めるだけでなく、ダイエットにも効果的です。

妊活でおすすめできない運動は?

反対_妊活でおすすめできない_運動""
妊活中には避けたほうがいい運動もあります。その中の1つが活性酸素を作る運動です。活性酸素を作る運動には、ランニングやキックボクシングといった運動が挙げられます。

活性酸素には細胞を老化させる働きがあります。そのため、女性にとっては卵子が老化する原因となる場合があるのです。卵子が老化すると生理周期が乱れたり排卵障害を起こしたりすることがあります。

また、ランニングやキックボクシングのような激しい運動は、妊娠している場合に流産の原因になる場合があります。また、球技はお腹にボールが当たる危険性がありますし、腹筋を使う動きはお腹に負担をかけることもあります。

ちなみに、いわゆる「腹筋」筋トレは、腹圧をあげてしまうため妊娠初期ではNGです。妊娠初期には兆候がなくて気付かないこともありますから、念のためこういった運動は避けることが望ましいです。

無理のない運動で妊活に最適なBMI・体脂肪率を目指そう

妊活において運動はとても大切です。運動には基礎体温を上げて体温管理をしやすくしたり、子宮の温度を高めたり、理想的なBMI・体脂肪率に近づけていけるというメリットがあります。

とはいえ、活性酸素を生み出してしまうような激しい運動は妊活中に好ましくありません。

くれぐれも太りすぎ、痩せすぎには気をつけて。ストレスにならないよう、楽しみながらウォーキングや筋トレ、ヨガ、ストレッチなどの運動を少しずつ始めてみましょう。

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